第6回 グランドキャニオンへ|まさかの入園料200ドルと、30年越しに叶った夢
グランドサークル、ドライブ移動の2日目。
いよいよグランドキャニオンへ向かいます。
セドナにはやや心残りがあるものの、初日のドライブで、今回の訪問地はそれぞれかなり距離が離れていることを痛感。
あまり欲張らず、昼前にはセドナを出発しました。
フラッグスタッフで、サッカー観戦
途中、「ワールドカップの試合を見たい」という次男のリクエストがあり、フラッグスタッフという街でサッカー観戦ができるバーへ。
平日の火曜日、しかも昼間だというのにかなりの混雑。
「火曜日の昼から、バーで飲みながらサッカー観戦できる人たちって、いったいどういう人たち?」
と思いましたが(笑)、幸いテレビのよく見えるテーブルを確保できました。
運転予定のない私は、ここでも地ビール。
今回の旅行のプランを作ったのも私だし、費用もかなり出しているので、ここは大きな気持ちで(笑)。
普段はワイン派の私ですが、今回の旅行では地ビールをずいぶん飲みました。
その土地の気候に合うお酒って、やっぱりあるんですね。
「アメリカのバーは食べ物もおいしい」と聞いたことがありましたが、本当においしかったです。
フラッグスタッフは、グランドキャニオン南側への玄関口となる街。
名高いルート66が通る歴史ある街で、冥王星の発見で知られるローウェル天文台もあります。
今回は街をゆっくり見る時間はありませんでしたが、いつか改めて立ち寄ってみたいと思いました。
そして、訪れたバーで働いていた女性スタッフたちが、とてもきびきびと働いていたのも印象的でした。
私はこの旅行の数週間前にニューヨークにも行っていたのですが、フラッグスタッフの小さな街のバーで、感じよくテキパキと働くスタッフたちを見て、
「旅先では、こういう何気ない人との出会いも記憶に残るものだな」
と思いました。
グランドキャニオンの入口で、まさかの200ドル
サッカー観戦を終え、いよいよグランドキャニオンへ。
かなり近づいたところでトイレ休憩が必要になり、マクドナルドへ寄りました。
そこで、それまで運転していた次男が夫と交代。
この何気ない運転交代が、このあとちょっと面白い展開につながります。
グランドキャニオンのゲートに到着すると、なぜか前の車がなかなか進みません。
そして、ようやく私たちの番。
ゲートの係員のおじさんから、
「海外からのビジターには、1人100ドルかかります」
との説明が。
「えっ、1人100ドル?」
旅も中盤に入り、金銭感覚がまあまあ麻痺してきているタイミングではありましたが、それでもびっくり。
国立公園内のホテルにも宿泊するのに、ここでさらに200ドル?
一瞬、
「もしかして、新手の詐欺?」
とすら思ってしまいました。
でも、係員のおじさんは、私たちが驚くのにも慣れているのか、むしろひたすら申し訳なさそう。
夫は、
「そんなの聞いてない!」
と、ややファイティングモード。
とはいえ、おじさんに文句を言っても仕方ありません。
あまりにも申し訳なさそうに説明してくれるので、結局、私のカードで200ドルを支払いました。
「ほかの国立公園にも行きますか?」
と聞かれたのですが、
「これ以上お金を取られては大変!」
と、モニュメントバレーのことが一瞬頭をよぎりましたが、とりあえず「No!」。
そして無事、ゲートを通過しました。
あっ、後部座席で小さくなっていた次男は……。
マクドナルドで運転を交代していてラッキーでした(笑)。
本当に「外国人は100ドル」だった
後から調べてみると、ゲートのおじさんはもちろん詐欺師ではありませんでした。
これは2026年1月1日から始まった新しい制度。
グランドキャニオンを含むアメリカの11の国立公園では、16歳以上の米国非居住者に対して、通常の入園料とは別に1人100ドルのNonresident Feeがかかるようになったのです。
グランドキャニオンの場合、通常の自家用車の入園料は1台35ドル。
それとは別に、対象となる非居住者には1人100ドルが加算されます。
ちなみに、250ドルの「America the Beautiful Non-Resident Annual Pass」という非居住者向け年間パスもあります。
対象となる国立公園をいくつも回る旅行なら、こちらを検討したほうがお得になる場合もありそうです。
今回、私たちが実際にゲートで請求されたNonresident Feeは2人分の200ドルでした。
ただし、後から制度を確認すると、これは「運転者だけ」が対象になるものではなく、16歳以上の非米国居住者が対象とのこと。
ともあれ、ゲートのおじさん。
詐欺師かも、なんて疑ってごめんなさい(笑)。
それでも、やっぱりグランドキャニオン
中に入ってしまえば、気持ちを切り替えてグランドキャニオンの景色を堪能。
写真では何度も見てきた景色ですが、実際に目の前にすると、やはりスケールが違います。
「大きい」「すごい」という言葉だけでは、なかなか表現できません。
公園内も想像以上に広く、車で移動しながらいくつかのポイントを回りました。
そして最後は、グランドキャニオンに沈む夕日を見ることができました。
夕食はかなり遅くなり、レストランの閉店時間ギリギリ。
なんとかビールと食事にありつけました。
国立公園を旅するときは、食事ができる場所や時間が限られていることがあります。
いざというときのために、車の中にちょっとした食べ物を用意しておくと安心です。
あと、ビールとかも(笑)。
30年前に思ったこと
グランドキャニオンでは、キャンピングカーもたくさん見かけました。
夏休みシーズンということもあり、アメリカ人の家族連れも多く、家族で国立公園を楽しんでいる姿が印象に残りました。
それを見ながら、30年以上前のことを思い出しました。
ニューヨークに留学していた頃、帰国前にアメリカ人の友人から、
「アメリカにいるなら、国立公園には絶対行ってみたほうがいいよ」
と言われたことがあります。
そこで、ロサンゼルスにいる友人を訪ねたついでに、一人でバスツアーに参加してヨセミテへ行きました。
そのときに、
「国立公園って、一人で来るより、いつか家族と一緒に来られたらいいな」
と思ったことを、今でも覚えています。
あれから30年以上。
今回は仕事のある長男は一緒に来られませんでしたが、夫と次男と一緒にグランドキャニオンに立つことができました。
30年前の自分がぼんやりと思い描いていたことが、ずいぶん時間をかけて実現したのかもしれません。
60歳になって始めた今回の旅。
「いつか行きたい」と思っていた場所に、実際に行ってみる。
旅をしていると、ときどき、昔の自分と今の自分がつながる瞬間があります。
今回のグランドキャニオンは、私にとってそんな場所になりました。
💡 Wise Journey Tip
2026年から、グランドキャニオンなど一部のアメリカ国立公園では、米国非居住者に1人100ドルの追加料金がかかります。
通常の入園料とは別料金なので、家族旅行では思いがけない出費になることも。
対象となる国立公園を複数訪れる予定なら、250ドルの「America the Beautiful Non-Resident Annual Pass」もあるので、旅行前にどちらがお得か確認しておくのがおすすめです。
また、国立公園内はレストランや売店が限られ、閉店時間も早いことがあります。
水と軽食は車に常備しておくと安心です。
そして、入園料の制度は変更されることもあるので、出発前にはNational Park Service(NPS)の公式サイトで最新情報を確認することをおすすめします。
次回は、旅のハイライトの一つ、アンテロープキャニオンへ。
ずっと楽しみにしていたアンテロープキャニオン。
ところが、そこへ向かうまでの道のりで、まさかの試練が待っていました。
「本当に予約時間に間に合うの?」
グランドサークルの旅、まだまだ予定通りにはいきません(笑)。
次回へ続きます。
